あそびやさん
Shinjyuku-Zushi
あそびやさんについて
あそびやさんは逗子市新宿でやっているちょっと変わった造形教室です。実は最初のあそびやさんは2015年から2年ほど、逗子の別の場所でやっていました。その後、場所の問題もあって活動休止していましたが、昨年2022年5月に再スタートしました。
あそびやさんを再開したきっかけを少しお話しすると、息子は中学生時代の3年間教室に足が向かず、家で過ごす日がたくさんありました。その時に、息子には昼間たくさん時間があって、しかもやってみたいこともあったのに、平日昼間の時間帯に子供が参加できるワークショップや習い事がほとんどありませんでした。それで、平日昼間におうちにいて、造形的なことをやりたい小学生や中学生がもし居たら…という思いでやってみることにしました。それがスタートだったので、平日昼間のクラスがあります。そして放課後のクラスも始めました。
実際のところは昼間のクラスはあまり知られていないこともあってか、参加者が少ないです。なのでかなり自由にやらせていただいてます。テーマを決めて用意していても、その日の流れで全然違う物を作っていたりします。
私があそびやさんで大切にしていることは、作品を完成させることではなくて、ワクワクする時間を過ごすことです。なので、どんな作品になってもOKですし、途中で脱線して違うものになっちゃってもOK。お友達との合作でもいいし、結局形にならなくてもOK!見てるだけでも大丈夫。みんな同じ素材からスタートしたはずなのに、ひとりひとりの手から生まれる作品は全部ちがいます。それは本当に豊かなことだな~と思います。
放課後クラスの様子はと言うと…、スタートのころは制作のテーマを毎回3つから4つ用意していました。それは好きな物ができるようにという思いでした。でも結局、みんな用意されたもの全部をやりたくなっちゃって、2時間以上時間があるのに、時間が足りなくなってバタバタ。それで、もっと落ち着いた時間であって欲しいと思い、今は1回に1テーマ、多くても2テーマにしています。
私はあそびやさんをやりながら、子どもたちが何かに集中した時の力って、すごいなー!って思います。だから興味を持つことって最強、大好きって最強って思っています。入口はどんなことであっても、そこから無限に世界は広がります。私はそんな子どもたちに何かを教えるというよりは、一緒に試行錯誤しながら作る人です。
もうひとつ、あそびやさんで大切にしてることがあります。それは言葉。NVC(非暴力コミュニケーション)の先生によると、人間の話している言葉は、分類すると「おねがい」と「ありがとう」しかないのだそうです。だけど多くの人が自分の「おねがい(needs)」をうまく伝えられずに、とても分かりにくい表現をしています。例えば相手にこっちに来てほしい時に、「そっち行かないで!」と声をかける。それで相手がこっちに来てくれればいいのだけど、もっと違う方に行ってしまったりするので「そっちじゃない!」とか言う。伝わらないからだんだん言葉が強くなりお互い嫌な気持ちになっていく。。。こういうことってよくあると思います。そもそもこっちに来てほしいという「おねがい(needs)」が伝わってない。
なのであそびやさんでは、私も「needs」で話しますし、みんなにも「needs」で話してもらえるようにしてます。この1年で、あそびやさんの中でそれが芽吹いています。そうするとさっきの言葉は「私のところに来てもらえる?」ってなるので、相手にすんなり伝わります。そして答える方も、また「needs」で返します。「No」は使わない。「No」の代わりに「今はこれを描いていたいからここに座っていたいのよ」とか自分のneedsを伝えます。
こんな風に自分も相手もneedsを完全に伝えつつ心地よく過ごせたら、最高だなぁと思います。そして、そういう中でこそ、本当に楽しい作品作りができるのではないかと思います。
皆さんがあそびやさんでワクワクする時間を過ごしてくれたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
馬場桜
2023年9月
いっしょにつくる人
馬場桜 ばばさくら
1972年神奈川県生まれ。
愛知県立芸術大学美術学部卒。フリーランスカメラマンを経て結婚。5年間スペインで生活。美術学校でアルハンブラ宮殿の装飾を学ぶ。
帰国後、保育園、幼稚園、小学校、中学校での仕事で子どもたちとかかわる。逗子市在住。2児の母。